すたらブログ

文系Webプログラマの備忘録

私が実名や経歴を公開する理由

現在、私は下記の情報をWebで公開しています。
なぜここまでさらけ出すのかを、この機会に説明しておきます。

  • 実名
  • 顔写真
  • メールアドレス
  • 学歴・職歴・病歴

目次

  1. 使いやすいデータになりたい
  2. 信頼されるデータになりたい
  3. データになりたいと願う理由
  4. データが役立った例: 殷の紂王の評価
  5. 失敗を活用できなかった例1: 大躍進政策と主体農法
  6. 失敗を活用できなかった例2: 「転進」と「合理化・リストラ」
  7. お誘い

使いやすいデータになりたい

教訓の事例や統計に用いるデータのひとつとして、私は私の人生を余すところなく活用してほしいと願っています。
そのために、第三者が利用しやすいように形式を整えてWeb上で公開しているつもりです。


信頼されるデータになりたい

匿名の記事では、再利用の前に余計な確認作業が必要になると思います。
なるべく速やかに滞りなく活用してもらえるように、データとしての信頼性を高めたいと考えています。
単に実名で投稿するだけでなく、重要な意見表明の場以外でも経歴を明かして活動することで、私に属するデータ全体への信頼を高めたいと考えています。


データになりたいと願う理由

使いやすくて信頼されるデータを提供することで、私と同時代の事件・事実を裏付ける有力な証拠の一つになりたいと願っています。
ある事実の真偽を後世の人々が確かめる際、国家やマスメディアの公式記録だけでは疑わしい場合もあると思います。
そんな時、庶民の個人的な記録の集合が当時の状況や雰囲気を知る手がかりになると思います。

また、私のこれまでの仕事や人間関係での失敗やうつ病の経過を包み隠さず公開して情報提供することで、予防や治療や病気の理解に役立ててほしいと願っています。
失敗の経験だからこそ、積極的に共有して活用しなければならないと考えています。


データが役立った例: 殷の紂王の評価

今から3千年前の中国の(いんという国の王様で、紂王(ちゅうおうという人物がいました。
この紂王については、有名な「酒池肉林」や「炮烙(ほうらくの刑」など悪事の限りを尽くしたひどい王様だというのが昔からの評価でした。
中には「ホントにそんなひどいことをしたの?」と疑う人もいたようですが、殷の紂王は悪者、それを倒した周の武王は立派な王様、という評価で固まっていました。
ところが、近代になって甲骨文の研究が進んだことで、紂王の悪事は後代による捏造や事実の捻じ曲げであることがほぼ確実となりました。

甲骨文とは占いやその関連情報が刻まれたもので、ある王朝の正式な歴史としての編集過程を通過した情報ではありません。
そのような生データがおそらく大量に出土したからこそ、紂王の悪評を覆す力につながったのだと思います。


失敗を活用できなかった例1: 大躍進政策と主体農法

1950年代末、中国では現実を無視した画一的な工業・農業政策を推進したために、何千万人という単位で餓死者が出たそうです。
しかしその失敗は隠され、むしろ大成功だったと宣伝されていたため、それを真似した北朝鮮でも大きな被害が出ました。

北朝鮮も、場所によって高度差があり、それぞれの場所によって、田植えに適した時期が異なります。
しかし、全国から動員された軍の兵士や学生による「農村支援隊」によって、一斉に田植えをするのです。
その結果、寒い地方では、田植えをした途端に、霜の害を受けるありさまです。
霜の害を防ぐために、地域の住民全員が動員され、田んぼの周囲で徹夜で古タイヤを燃やして霜の害を防ぐ”一大作戦”が展開され、その成果を誇る、などというおかしなことまで起きます。
田植えを遅らせば済む話なのですが。


失敗を活用できなかった例2: 「転進」と「合理化・リストラ」

私は、ダブルスピークや言葉の言い換えの全てを否定するつもりはありません。
相手を傷つけないように、みんなの気分を害さないようにという配慮で使われる言葉ならば全然かまわない思います。
私自身、"死亡保険"よりも"生命保険"と呼ぶほうが気持ちが落ち着きます… (^ ^;)

しかし、相手ではなく自分を傷つけないために使われる言葉は、卑怯であるばかりか危険だと思います。
問題点を直視せずにみんなで一斉に目を背けて現実逃避する、という状況に陥ってしまうと思います。

戦時中に使われた「転進」も、解雇を意味する「合理化・リストラ」も、国民を不安にさせないため、解雇される従業員の名誉を傷つけないためではなく、明らかに自身の体面を保つために使われた言葉でしょう。
このような言い換えは日本だけでなく世界中で現在も行われているそうで、あまり目くじらを立てても仕方ないのかもしれませんが、やはり「過去の歴史の反省を謳うなら、失敗を生み出した構造・仕組みに目を向けてはどうだ?」と愚痴をこぼしたくなります。
こんな現実逃避がまかり通っている限り、英霊が浮かばれることはないでしょう。


お誘い

以上の理由から、私は今後もWebでの活動を実名で行い、失敗の経験もどんどんさらしていくつもりです。
そして、できれば多くの方々にこのスタイルを広めたいです。
甲骨文と同じく、たった一人の証言では有力な証拠とはなりませんから。

私は「まず隗より始めよ」ということわざが好きです。
今回の件で用いるならば、まず大目標として、私は私だけでなく全てのデータが有効利用され、人類が着実に進歩することを望んでいます。
しかし、何の成果も挙げていない段階で他人を無理に誘っても、誰も乗ってくれないでしょう。
だから、まずは私自身が着実に進歩して、理知的で充実した人生を送ろうと思います。
全てをさらけ出す姿勢が心と体を軽くしてくれることを、身を持って証明しようと思います。
私自身が本当に幸福ならば、自然と周囲を巻き込んでいくことができるでしょう。

ことわざのとおり、大きな目標にいきなり正面から取り組むのではなく、身近なことから始めて周囲の関心や信頼や協力を得ていくことこそが、結果的には一番の近道なのだと信じます。
自身のこれまでの禁欲的で破滅指向な行動原理を深く反省し、誰もが真似したくなるような穏やかで幸せな毎日にしていこうと思います。